
「サッカー、もう辞めようかな…」
ある日突然、子どもがそう口にしたとき、あなたならどう反応しますか?
焦って「何言ってるの!」と否定してしまうかもしれませんし
「そっか…じゃあ辞めようか」とすぐに受け入れる場合もあるかもしれません。
でも大切なのは、「その言葉の裏に、どんな気持ちや理由があるのか」を一緒に探っていくことです。
本記事では、サッカーキッズが「辞めたい」と感じる背景をパターン別に整理し、それぞれに合った親の接し方や声のかけ方を紹介します。
よくある「辞めたい」の理由と対応法
子どもがサッカーを辞めたいと思う理由には、いくつかの典型的なパターンがあります。ここでは、それぞれの理由を詳しく解説し、親としてできることをお伝えします。
理由①:うまくできなくて自信をなくしている
よくあるサイン:
- 試合で失敗した後に口数が減る
- 練習後に「俺、下手だな」「どうせ無理」とつぶやく
- 他の子と自分を比べて落ち込む
親の対応ポイント:
☑️ そもそもの動機を再確認する
その子がサッカーを始めた動機はなんだったのでしょうか?
「仲の良い〇〇くんがサッカーをやっているから」
「ボールをけることが楽しいから!」
その気持ちを思い出し、さらにサッカーに対する今抱えている思いや目標を聴いてみましょう。
☑️「結果」ではなく「過程」に目を向けて励ます
「今日の試合、よく走ってたね」
「最後まで諦めなかったの、すごいよ」
など、成果より努力に目を向けて声をかけましょう!
☑️ 成長のタイミングは人それぞれ、自分自身も成長していることを伝える
「先月できなかったことが、今日の試合では2回できたね!」
他者との比較ではなく“自分との比較=自分の成長”に意識を向け、自分の変化を実感できるように話してみましょう!
☑️ できたことを一緒に振り返る
例えば練習後に、「今日一番うまくできたこと、何だと思う?」とポジティブな気づきを促すのも有効です。
理由②:コーチやチームメイトとの人間関係がしんどい
よくあるサイン:
- 練習や試合のあと、無言で帰ってくる
- 家で「コーチが怖い」「仲間に文句を言われた」と漏らす
- お腹が痛いなどの体調不良を理由に行きたがらない
親の対応ポイント:
☑️ まずは「共感して聴く」姿勢を大切に
「そっか、嫌だったんだね」「辛かったね」と、否定やアドバイスの前に、子どもの気持ちを受け止めることが先決です。
☑️ 相手の立場も一緒に考えてみる
「もしかしたらコーチはこう思って言ったのかもね」「◯◯くんもプレッシャーがあったのかも」など、客観的に見る視点を提供するのも一つの方法です。
☑️ 必要なら、チームやコーチと相談を
ハラスメントや深刻ないじめの場合は、無理をさせずに環境を見直す勇気も必要です。
理由③:ほかのことに興味が出てきた
よくあるサイン:
- ピアノ・プログラミング・ゲーム制作など他の習い事に夢中
- 試合より趣味のイベントを優先したがる
- 「なんとなく飽きた」と言い出す
親の対応ポイント:
☑️ 興味が出たものを一緒に体験してみる
サッカーから得た集中力や体力は、他の分野でも活きます。新しい挑戦を前向きに応援しつつ、「サッカーをやめる=ゼロになるわけじゃない」と伝えましょう。
☑️ “一時中断”という選択肢もある
辞めるか続けるかの二択ではなく、数ヶ月のお休みを提案することもできます。その間に本当にやりたいことが明確になる場合も。
理由④:親の期待がプレッシャーになっている
よくあるサイン:
- 試合の後にイライラしている
- 勝ち負けに極端に敏感になる
- 「怒られるから辞めたい」と漏らす
親の対応ポイント:
☑️ 勝ち負けより“楽しめたか”を大切にする
つい「勝たなきゃね」「もっと練習しないと」と言ってしまいがちですが、子どもの一番のモチベーションは“楽しい”ことです。
☑️ 感想を聞く前に「おつかれさま」を
試合後すぐに分析モードに入るのではなく、「今日も頑張ったね、おつかれさま」と一呼吸入れるだけで、子どもの気持ちは軽くなります。
☑️ 親自身も“応援スタンス”にシフトを
評価ではなく応援。自分の夢や期待を無意識に投影していないか、一度振り返ってみましょう。
理由⑤:体力・体調の問題や学校との両立が難しい
よくあるサイン:
- 朝起きるのがつらい、疲れやすい
- 成績が下がってきたことに焦っている
- 習い事が重なって負担が大きい
親の対応ポイント:
☑️ スケジュールを一緒に整理する
「週何回なら無理なくできそう?」「宿題はこの時間に終わらせようか」など、生活全体を見直すことで、両立の道が見えてくるかもしれません。
☑️ 体のSOSには早めに対応を
「疲れが取れない」「寝つけない」などのサインは、成長期の体が悲鳴をあげている証拠かも。十分な睡眠・栄養・休養を見直しましょう。
辞める?続ける?親ができるサポートの考え方
「やめる or 続ける」の2択ではなく「一緒に考える」
大事なのは、答えを親が決めるのではなく、子どもと一緒に考える姿勢。「辞めたい」も立派な自己表現です。まずは気持ちを尊重し、対話する時間を持つことが最も重要です。
続ける場合は「目標の再設定」を
例えば、「まず次の大会まではやってみよう」「あと3ヶ月練習を頑張ってみて、そのときの気持ちで決めよう」など、小さなゴールを設定すると子どもも前向きになれます。
辞める場合は「次のステップ」を一緒に描く
「サッカーを通して得たことは?」
「次にやってみたいことは?」
これまでの経験を肯定しながら、新たな挑戦を応援しましょう。
おわりに:「辞めようかな…」の先にある成長を信じて
「辞めようかな…」は、子どもが自分と向き合い、成長していく過程での自然な感情です。それは決して「甘え」ではなく、「自分の気持ちを伝える力」が育ってきた証でもあります。
親としてできるのは、すぐに判断することではなく、“子どもと一緒に考える時間”を持つこと。
サッカーを通じて得た仲間、経験、悔しさや喜び――それらすべてが、子どもにとってかけがえのない財産となっていくことを信じて。
どんな選択になっても、「この経験があってよかった」と子どもが思えるよう、家庭でのサポートを続けていきましょう。
サッカーママ・パパ、今日もお疲れ様です!
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