【お悩み解決】子どもがチームのコーチの言うことを聞かない：パパ・ママができる子どもへの声掛け

子どもがサッカーチームに所属してしばらく経つのに

「うちの子、コーチの言うことを全然聞かない」
「練習中に集中していない」

と感じているサッカーママ・パパはいませんか？

一生懸命練習してほしい、コーチの指導に素直に耳を傾けてほしい。そう思えば思うほど、親としての不安や焦りが募ります。しかし、ただ「ちゃんと話を聞きなさい！」と叱るだけでは、逆効果になることも少なくありません。

本記事では、子どもがコーチの話を聞かない理由をひも解きながら、サッカーママ・パパができる“育成につながる声掛け”についてご紹介します。子どもが主体的に考え、判断できるようになるための関わり方を、今日から実践してみませんか？

子どもがコーチの話を聞かないのは「反抗」ではない

「うちの子、コーチに反抗してるんじゃないか」

と感じることもあるかもしれませんが、多くの場合、それは反抗ではなく“理解不足”や“主体性の未発達”による行動です。

子どもたちは成長の過程で、自分と他者の違いや、社会的な関係性を少しずつ学んでいきます。小学生年代の子どもたちにとって、「大人の指導を受け止める力」や「自ら考えて行動する力」はまだ発展途上。だからこそ、すぐにコーチの意図を汲み取ったり、状況を判断して動くのは難しいのです。

サッカーの指導現場でも、「言われたとおりに動く子」より、「自分で考えて動ける子」の育成が重視されています。そのため、子どもが戸惑ったり、話を聞いていないように見える場面も、成長途中の自然な過程と受け止めることが大切です。

親のちょっとした言葉や態度は、子どもの感じ方や行動に大きく影響します。では、コーチとの関係性を良好に保ちつつ、子ども自身が“自ら考える姿勢”を育むためには、どのような声掛けが効果的なのでしょうか。

ここでは、日常の関わりで意識したい3つのポイントを紹介します。

子どもがコーチの話をちゃんと聞いていないと感じたとき、「なぜ聞いていなかったの？」「ちゃんと聞きなさい！」と一方的に叱るのではなく、まずは「今日、どんな話があった？」と穏やかに聞いてみましょう。

子どもが話し出せば、それは自分で考えるきっかけになります。「どう思った？」「自分だったらどうする？」と問いかけを重ねることで、“判断する習慣”が育まれていきます。

子どもがコーチの話を軽く見てしまう背景には、親の態度が影響していることもあります。家で「今日のコーチの言い方はどうかと思うよね」などと否定的な会話がされていると、子どもは敏感にそれを察知し、「コーチの言うことはあまり大事ではないんだ」と感じてしまうのです。

サッカーママ・パパが率先して、「○○コーチの教えって、試合のときに役立つよね」などと肯定的に言葉をかけることは、子どもがコーチの話を前向きに受け入れるための土台になります。

指導を受けたことに対してうまく実行できなかったとき、親が「なんで言われた通りにできないの？」と責めてしまうと、子どもは失敗を恐れ、考えることや行動することを避けるようになります。

反対に、「やってみたこと自体がすごいね」「自分で工夫したね」と声をかけることで、子どもは安心して挑戦できるようになります。その積み重ねが、主体性と判断力を養っていくのです。

サッカーに限らず、チームスポーツでは「コーチとの信頼関係」が子どもの成長を大きく左右します。もちろん、すべてのコーチが完璧というわけではありませんが、だからこそサッカーママ・パパが間に立って、子どもとコーチの関係を温かくつなぐ役割を担うことが大切です。

そのためには、「親が直接コーチと対立する」のではなく、「子どもが自ら関係性を築けるように支える」というスタンスが有効です。たとえば、練習や試合後に「今日の○○コーチ、どんなアドバイスくれた？」とさりげなく聞くことで、子どもがコーチの存在を意識し、話を振り返るきっかけになります。

「言われた通りに動く」ことは一見スムーズに見えますが、将来的に大切なのは、状況を自分で判断し、行動できる力です。それは、サッカーという競技に限らず、人生を切り拓く上でも欠かせない能力です。

サッカーママ・パパにできることは、正解を教えることではなく、考える機会を与えること。そして、考えたことやチャレンジしたことを受け止め、励まし、応援することです。

子どもがコーチの言うことを聞かないとき、それは成長のチャンスです。焦って「ちゃんと聞きなさい！」と叱るのではなく、「どう感じた？」「どこが難しかった？」と声をかけることで、子ども自身の内側にある力を引き出すことができます。

サッカーママ・パパのちょっとした声掛けが、子どもにとっての“大きなきっかけ”になります。育成の鍵は、日常の関わりの中にこそ隠れています。ぜひ今日から、意識してみてください。