サッカーママ・パパの皆さん、お子さんの送迎や応援、時には栄養管理やケアまで、日々のサポート、本当にお疲れさまです。
ジュニアサッカーの現場は、保護者の存在なくして成り立ちません。
今回は、「選手を育てる」ことと同じくらい重要でありながら、あまり注目されてこなかった【保護者のマネジメント】について深掘りします。
日本とスペイン、二つの国のジュニア育成事情を比較しながら、「サッカーママ・パパ」として、より良いサポートとは何かを考えていきましょう。
なぜ「保護者マネジメント」が重要なのか?
育成現場において「マネジメント」と聞くと、選手に対する指導やチーム運営を想像しがちです。しかし実際には、コーチが向き合うのは選手だけではありません。保護者もまた、育成の重要なステークホルダーです。
特に小学生年代では、保護者のサポートや理解が、選手の成長を左右する場面が多くあります。その一方で、保護者対応に悩む指導者も少なくありません。「協力的な家庭」と「口出しの多い家庭」の違いが、チームの空気感や選手のメンタルにも影響するのです。
日本とスペインの「保護者文化」を比較する
日本のサッカーママ・パパ:一見マナー良く、でも…
日本の保護者は、コーチやクラブに対して礼儀正しく、マナーを守って接する傾向があります。
しかし裏を返せば、「本音を言わない」「不満を飲み込んでしまう」という一面も。
コーチが指導した内容に表面的には従っていても、内心では納得していない、というケースもあるのです。
また、「子どもの様子が変だけど何も言えない」といった遠慮から、問題が水面下にとどまり、結果としてチーム全体に悪影響を与えてしまうことも。
このように、【問題が見えづらい】という日本独自の保護者文化は、コーチにとって大きなマネジメント課題となります。
スペインのサッカーママ・パパ:はっきり言う文化の落とし穴
一方、スペインでは保護者が積極的に意見を伝える文化があります。
「なぜうちの子が試合に出られないのか?」「この練習はうちの子に合っていない」など、直接的に伝えてくることも多いそうです。
これは建設的な意見交換につながる一方で、コーチにとっては【対話疲れ】を引き起こすリスクも。
練習後に長時間話し込まれることや、他の保護者にその意見が広まり、チーム内の分断を招くといった副作用も見られます。
つまり、オープンな文化にもマネジメントの難しさはあり、単に「発言が多いか少ないか」の問題ではないのです。
コーチが直面する「育成マネジメント」の壁
文化の違いによるコミュニケーションのズレ
例えば、スペインでは指導の場面で命令形の言葉が当たり前に使われます。
「もっと走れ!」「考えて動け!」といったダイレクトな表現が、選手の主体性を引き出すと考えられているからです。
しかし、同じ言葉を日本の子どもたちに使うと「怒られた」「厳しすぎる」と受け取られることも。
このような文化的背景の違いが、育成マネジメントにおけるズレを生み出します。
問題が表に出づらい日本ならではのリスク
特に日本では、「暴言を吐く選手」「人のせいにする態度」などの問題が、なかなか表面化しません。
選手自身やその保護者が問題の本質を理解せず、現場の空気を悪化させてしまうこともあります。
そのためコーチには、見えにくい課題を早期に発見し、的確に対応する「観察力」と「対話力」が強く求められます。
成功する監督は何をしているのか?
スペインで成果を出している監督の多くは、「技術」だけでなく「人間性」を重視しています。
選手を選ぶ際に、「素直さ」「協調性」「向上心」といった要素を重視し、保護者とも信頼関係を築けるかを見極めています。
なぜなら、どんなに技術のある選手でも、チームを乱すような言動があれば全体に悪影響を及ぼすからです。
これはつまり、育成とはサッカーの技術を教えるだけでなく、「人を育てる」ことなのです。
サッカーママ・パパにとっても、これは非常に大切な視点ではないでしょうか?
サッカーママ・パパが今できる3つのこと
1. コーチとの「対話」を恐れない
疑問や不安を抱えたとき、遠慮せずにコーチに相談する勇気を持ちましょう。
タイミングや伝え方に配慮しつつも、率直な対話は、お子さんの成長にとって大切な一歩です。
2. コーチの意図を汲み取ろうとする姿勢
選手の起用や練習方針に対して、「なぜこうなったのか?」という疑問が浮かぶこともあるでしょう。
その時は、一度コーチの立場に立ち、全体の意図を理解しようとする姿勢が信頼関係の土台になります。
3. 「人としての成長」を日常からサポート
サッカーがうまくなること以上に、お子さんが「努力できる」「人を思いやる」「感謝できる」子に育つことは、どの現場でも求められていることです。
そうした姿勢が、チームの空気を良くし、選手としての成長にもつながっていきます。
まとめ:サッカーママ・パパは「育成」の大切なパートナー
日本とスペイン、それぞれの育成文化には違いがありますが、共通して言えるのは、保護者の存在が育成の質を左右するということです。
コーチと保護者が信頼関係を築き、お互いの役割を理解しながら子どもたちをサポートすることで、チーム全体が前向きに成長していきます。
「サッカーママ・パパ」として、子どもたちの未来を共に支える存在であることを誇りに思い、これからもジュニアサッカーを楽しんでいきましょう。
コメント