今回はテレビ東京系『FOOT×BRAIN+』第723回のトークを手がかりに、元日本代表・柿谷曜一朗選手と元北朝鮮代表・鄭大世(チョン・テセ)選手のリアルな体験談から、小学生年代の育成に役立つヒントをまとめました。
キーワードは「個性」「ライバル」「責任感」、そして「多様な経験」。
サッカーに情熱を注ぐ子どもを支えるサッカーママ・パパの皆さん、ご家庭でのお子さまのサポートにぜひ役立ててください。
1.「王様タイプ」の子どもと向き合う ― 個性を生かした育成の第一歩
「うちの子はドリブルが好きで、なかなかボールを離さない」ーー
そんな悩みを抱えるサッカーママ・パパは少なくありません。柿谷選手は幼少期、「ボールを持っている瞬間だけがサッカー」と考えるほど自己中心的でしたが、ピッチ外では年上にも愛される“人なつっこさ”で周囲を魅了していました。
一方、鄭大世選手は人との関わりが薄く、同じ振る舞いでも「問題児」に見られがちだったと振り返ります。つまり、同じ“王様プレー”でも普段の人柄が評価を左右するということです。
サッカーママ・パパは、まず子どもの「サッカーが楽しい!」という純粋な気持ちを守りつつ、日常生活であいさつや思いやりを促し、協調性の土台を築きましょう。ピッチ外の人間関係が整えば、ピッチ内の個性も“魅力”として認められ、チーム全体の育成効果が高まります。
2.ライバルは成長エンジン ― 切磋琢磨が生む飛躍
プロの舞台で輝く選手の背後には、必ずと言っていいほど“良きライバル”が存在します。
柿谷選手が転機として挙げるのは、同期の香川真司選手と後輩の乾貴士選手。二人の「とにかくサッカーが好き」という姿勢に刺激を受け、「悔しさ」を原動力に練習へ打ち込むようになりました。
鄭大世選手にとっては、清水エスパルス時代のドウグラス選手が最初に“完敗”を認めた相手。実力だけでなく、ベンチの仲間に寄り添う人間性の大きさにも衝撃を受けました。
サッカーママ・パパとしては、同年代で尊敬できる選手や“負けたくない”存在を身近に感じさせる環境づくりがポイントです。大会観戦や映像視聴、合同練習など、子どもたちが互いを意識できる機会を積極的に設けましょう。ライバルの存在は技術面だけでなく、人間的成長も後押ししてくれます。
3.「背負わせる」経験が責任感を育む ― 小さなリーダーシップの芽
徳島ヴォルティス時代、副キャプテンに任命された柿谷選手は「チームを背負う立場」を実感したことで一変しました。これまで理由が分からず遅刻しがちだった練習前準備も、「仲間のため」に自ら率先するようになったと言います。
対照的に鄭大世選手は、自ら志願したキャプテン役が裏目に出てチームを分断してしまった苦い経験を告白。“背負う器”と日常の行動が噛み合わなければ、重責は逆効果になります。
サッカーママ・パパは、子どもの性格や発達段階を見極めながら「今日は片付け隊長を任せる」「遠征準備表を作成させる」など、小さな役割を与えてみてください。自分がみんなの役に立つという実感が、責任感と主体性を育て、ひいてはピッチ上の判断力にも良い影響を与えます。
4.視野を広げる ― サッカー以外の多様な経験も“育成”の肥料
番組終盤で提示されたテーマ「育成年代トレーニングは必要ない?」は、サッカー漬けの単一経験に偏りすぎるリスクへの警鐘でした。
成長期に過度な専門化を強いられると、膝痛や疲労骨折などの怪我はもちろん、心身の燃え尽きにもつながります。
サッカーママ・パパは、週末に山登りや水泳、体幹を養う体操教室など、サッカー以外の運動や遊びを取り入れてみましょう。多様な動作経験が総合的な身体能力を高め、結果としてサッカー技術の伸びしろを広げます。学校生活や家庭学習を通じた学びや読書も、人間性という“見えないスキル”の育成に欠かせません。
まとめ ― 愛情と好奇心が才能を花開かせる
未来のサッカー日本代表を夢見る子どもたちにとって、何より大切なのは「サッカーが大好き!」という気持ちを長く保つことです。
サッカーママ・パパの温かい声掛けや、多様な経験を認める姿勢が、その情熱を守り育てます。個性を尊重し、良きライバルと競い合い、責任感を持って行動する機会を与えれば、子どもたちは自ら成長の階段を上り始めるはずです。
今回ご紹介した柿谷選手と鄭大世選手のストーリーが、家庭での育成プランを見直すヒントになれば幸いです。今日も明日も、サッカーママ・パパの愛情がピッチで輝く原動力になりますように。
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