「なんでそこで打たないの!」…その一言が子どものやる気を奪っている
試合観戦中、思わず声が出てしまうことってありますよね。
「もっと前に出て!」「なんでパスしないの!」「しっかりしてよ!」
気づいたら、隣のパパさんとヒートアップしていた…なんてこともあるのではないでしょうか。
お気持ち、よ〜くわかります。我が子が頑張っている姿を見ていると、つい口から言葉が出てしまうんですよね。それは子どもへの愛情の裏返しでもあります。
でも、コーチとして20年以上子どもたちと向き合ってきた私から、正直にお伝えしたいことがあります。
親からのネガティブな声かけは、子どものやる気を一瞬で消してしまうことがあるのです。
今日は「試合中についやってしまいがちなNG声かけ」とその理由、そして「子どもの力を本当に引き出す応援の仕方」についてお話しします。
問題の本質:子どもは「プレー」でなく「親の顔色」を見てしまう
今日のスクールでも、こんな場面がありました。試合中、あるお子さんがドリブルで仕掛けようとした瞬間、サイドラインから「そこはパスでしょ!」という声が飛んできました。そのお子さんは迷った末にパスを選びましたが、チャンスは消え、うつむいてしまいました。
子どもはピッチの中で必死に考えて判断しています。でも、横から「こうしなさい」という声が飛んでくると、子どもは自分の判断よりも「親に怒られないようにする」ことを優先するようになります。
サッカーはピッチの中で自分で考えて動くスポーツです。その「考える力」を奪っているのが、実は親からの過度な声かけなのです。
これはアドラー心理学でいう「他者依存」の問題にもつながります。子どもが「自分で決める力」を育てるためには、失敗も含めた自己決定の経験が必要なのです。
子どものやる気を下げてしまう原因3つ
原因①「指示・命令型の声かけ」がプレッシャーになっている
「シュートして!」「戻れ!」「マークしろ!」といった命令型の言葉は、子どもの自主性を奪います。コーチも指示は最小限にしているのに、サイドラインから次々と指示が飛んでくると、子どもは頭の中が混乱してしまいます。
特にサッカーは瞬時の判断が求められるスポーツ。外からの声に気を取られている子どもは、目の前のプレーに集中できなくなってしまうのです。
原因②「結果」へのコメントが自己肯定感を傷つけている
「なんでミスするの」「そこで決めなきゃダメでしょ」「今日は全然ダメだったね」——ミスや敗北の後に親からこういった言葉をかけられると、子どもの心には深い傷が残ります。
子どもはミスをしたとき、誰より自分が一番悔しい思いをしています。そこへさらに親から責められると「サッカーはもうやりたくない」という気持ちになっても不思議ではありません。
子どもが「また頑張ろう」と思えるかどうかは、ミスの後に親がどんな言葉をかけるかにかかっています。
原因③「他の子との比較」が競争心でなく劣等感を生む
「〇〇くんはあんなに頑張ってるのに」「お兄ちゃんのときはもっとできてたよ」——他の子や過去の自分と比べる言葉も要注意です。
アドラー心理学では、人は比較されると勇気をくじかれると言います。比較は一時的に発奮させることがあっても、長期的には「どうせ自分はダメだ」という劣等コンプレックスを育ててしまいます。
解決方法:コーチが実践している「勇気づけの応援」
では、どんな声かけが子どもの力を引き出すのでしょうか。私がスクールの現場で実感している「勇気づけの応援」をご紹介します。
「プロセス」を認める言葉をかける
結果よりも、その子が頑張ったプロセスに注目してください。「あの場面でドリブルで仕掛けたの、すごく勇気があったね」「最後まで走り切ったね」——こういった言葉は、子どもの「また挑戦しよう」という気持ちに火をつけます。
アドラー心理学の「勇気づけ」とは、困難を克服する力を与えることです。結果がどうであれ、チャレンジしたこと自体を認める言葉が、子どもの内側から湧き出るやる気を育てます。
試合中は「応援」に徹する
指示や批判ではなく、純粋な応援だけに絞ることをおすすめします。「頑張れ!」「ナイス!」「楽しんで!」——シンプルな言葉でいいんです。子どもは親の応援を力に変えることができますが、指示の声は「また怒られた」という不安に変わってしまいます。
今日のスクールでも、「よし!」とだけ声をかけていたお母さんのお子さんが、のびのびとドリブルで何度も仕掛けていました。自由に動ける環境が、子どもの本来の力を引き出すのです。
試合後は「どうだった?」と聞いてみる
試合が終わったあと、すぐに評価や批判をするのではなく、まず「今日の試合どうだった?」と子ども自身の言葉を聞いてみてください。子どもは自分なりにプレーを振り返っています。その思いを話させてあげることで、自己分析力と自己肯定感が育ちます。
「どうだった?」のひと言が、子どもが自分のサッカーを持つための第一歩になります。
今日からできる具体的なアクション3つ
難しく考えなくて大丈夫です。今日の試合から、これだけ意識してみてください。
①試合中は「ナイス!」「頑張れ!」「楽しんで!」の3つだけ
指示や批判は封印して、この3つの言葉だけに絞ってみましょう。最初は物足りなく感じるかもしれませんが、子どもの動きが変わるのを実感できるはずです。
②ミスの後は「大丈夫!次!」と声をかける
子どもはミスの後が一番サポートを必要としています。責める言葉ではなく「次があるよ」という前向きな言葉を習慣にしてみてください。
③帰り道は「楽しかった?」から始める
試合後の車の中で、いきなり「あのシーン、なんで〇〇しなかったの」と始めないでください。まず「楽しかった?」「今日はどんな気持ち?」と聞いてあげましょう。それだけで子どもの心がぐっと開きます。
まとめ:親の声かけが、子どものサッカー人生を変える
子どもをサッカーに通わせているパパさん・ママさんは、みんな子どものことが大好きで、応援したい気持ちが溢れているはずです。だからこそ、試合中についつい声が出てしまう。
でも、子どもが本当に力を発揮できるのは、「自分で考えて、自分で決めた」という体験を積み重ねたときです。親の役割は、その体験を邪魔しないこと、そして挑戦を温かく見守り、結果を受け止めて勇気を与え続けることです。
あなたの応援の仕方が変わるだけで、子どものサッカーへの情熱は大きく変わります。
もし「もっと子どものメンタルをサポートしたい」「声のかけ方に自信が持てない」という方は、ぜひブログのほかの記事もチェックしてみてください。コーチ目線で、親御さんのリアルな悩みにお答えしています。
今日の記事を読んで、「あ、これうちの話だな」と思った方、ぜひコメント欄で教えてください。あなたの声が、同じ悩みを持つパパ・ママへの支えになります。一緒に、子どもが自信を持ってサッカーを楽しめる環境をつくっていきましょう!


コメント