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【Youtubeレビュー】「サッカーをやってるのに試合に出れない」という発想はない|スペイン育成現場の真髄

動画レビュー

「練習は真面目に取り組んでいるのに、試合ではベンチのまま…」
「うまくなってきたのに、本番で力を出しきれない」

といった悩みを抱えるご家庭も少なくありません。

Youtube「サッカーをやってるのに試合に出れない」という発想はない| スペイン育成現場の真髄 Vol.3 | Guest 末本亮太(大豆戸FC)[小澤一郎×FERGUS]は、そんな悩みを抱える多くのサッカーママ・パパに新たな気づきを与えてくれました。そこには、日本の育成年代では当たり前とされる常識を根底から覆す、驚くべき「育成の文化」があったのです。


日本とスペイン、少年少女のサッカー環境の大きな違い

ここ数年、日本の育成環境も確かに進化しています。指導者たちがヨーロッパの最先端のサッカーを学び、選手一人ひとりと対話しながらトレーニングを行うようになったのは、大きな前進です。

しかしながら、いまだに改善が進んでいない根本的な問題があります。それは、公式戦の「量」と「質」です。

たとえば、神奈川県内のあるクラブでは、低学年の子どもたちの公式戦数は年間10試合未満ということも珍しくありません。レベル差が大きいチームとの対戦で、大勝した翌週に大敗を喫する…そんなことも日常茶飯事です。

対してスペインでは、小学4年生も小学2年生も年間20試合以上の公式戦に出場しています。それどころか、ほぼ毎週試合があるのが当たり前。これが「試合慣れ」の差となり、結果的に育成年代の質の差につながっているのです。


「試合に出ない選手など存在しない」スペイン育成の常識

スペインの育成現場で、まず驚かされるのは「全員が必ず試合に出場する」という絶対的ルールです。

日本では、同じチームに所属していても「試合には出られないのが普通」という子がいます。しかしスペインでは、その考え自体が存在しません。

たとえば8人制の試合であれば、登録人数は15人ほどに抑えられます。そして、前半途中に審判が試合を止めて、交代が行われるのが常識。全員が試合経験を積めるように工夫されたシステムが、文化として根づいているのです。

実際、スペインの強豪クラブでも、試合のたびにメンバーをシャッフルし、全員が出場します。それが当然のように行われているからこそ、選手一人ひとりが「実戦での成長」を実感できるのです。


効率的なサッカー運営が育む、家族との調和

スペインのサッカー環境には、サッカーママ・パパにとっても学ぶべきポイントがあります。

まず、試合の拘束時間が極端に短いこと。集合は試合の45分前が基本で、ロッカールームに入るのは試合の30分前、アップはわずか5分程度。試合が終わればシャワーを浴びてすぐ帰宅。家族でゆっくり過ごす週末の時間がきちんと確保されているのです。

「せっかくの土曜がサッカーでつぶれてしまう…」という日本の現状とは、あまりに対照的です。スペインでは、サッカーと私生活のバランスを保ちながら成長できる環境が整っているのです。


技術だけでは勝てない「局面理解」の違い

日本の少年少女たちは、技術面では非常に優れています。練習熱心であり、丁寧な指導のもとで確実にスキルを磨いているため、「技術は世界レベル」と評されることもあります。

しかしながら、その技術をどう使うか、どこで使うか、という“賢さ”に欠けているという指摘も少なくありません。

スペインの少年たちは、小学4年生でも相手の攻撃の流れを読み、空いたスペースを使ってプレーする術を身につけています。ボールを持ちすぎない、危険な位置で無理をしない、そんな「局面の理解力」が自然に備わっているのです。

それは、彼らが日常の中で「見る・考える・話す」というサッカー文化に育てられているから。兄弟の試合を見に行き、親子でサッカーを語り合う。それが、戦術的理解を深める下地となっているのです。


「質の高い試合経験」が育てる集中力と執着心

日本の育成年代では、1日で複数試合をこなす「ワンデー大会」が多くありますが、それが子どもたちに与えるのは「数をこなす」感覚です。

対してスペインでは、週に1試合だけ。それだけに、子どもたちはその1試合に全力を注ぎ、勝利への執着心と集中力を養っていきます。

この「密度の高い経験」こそが、子どもたちの成長を加速させる最大の要因です。1試合ごとに何を学び、どう改善すべきかを自然と考える習慣が身についているのです。


サッカーママ・パパができる4つのアクション

スペインの育成文化から学ぶべきことは多くあります。ここでは、少年少女のサッカーを応援するママ・パパが今すぐ実践できることをお伝えします。

1. 質の高い試合経験を意識する
試合数や練習量だけにとらわれず、子どもが「真剣勝負の場」でプレーできる環境を選びましょう。

2. サッカーを“観て考える”時間をつくる
親子で一緒に試合を観戦し、「今のプレー、どうだった?」と声をかけてみましょう。プレーの背景を考えることで、局面理解はぐっと深まります。

3. サッカー中心の生活に偏らないようにする
効率的にサッカーに取り組みつつ、家族の時間や他の体験も大切に。バランスの取れた時間が、心の成長を支えます。

4. 試合に出られる環境を選ぶ
出場経験の少ない環境では、せっかくの努力も活かしきれません。「全員出場」が当たり前のクラブを検討することもひとつの手です。


おわりに

サッカーは、ただ技術を磨くだけではなく、「自分で考え、判断し、行動する力」を育むスポーツです。

スペインの育成から見えてきたのは、試合というリアルな経験を通して「賢くなる」ことの大切さでした。お子さんがサッカーを心から楽しみ、成長を実感できる環境づくりこそ、私たちサッカーママ・パパに求められていることなのかもしれません。

これからの日本サッカーを支える世代が、ただ上手いだけでなく「分かっている選手」に育つよう、親としてできることから始めてみませんか?

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