「自分がつかんだ答えなら、一生忘れない」——サッカー漫画『アオアシ』に登場する福田監督のこの言葉は、育成の本質を鋭く突いています。子どもが自ら考え、自分なりの答えにたどり着く経験が、記憶にも行動にも深く根付くのです。
今回は仲山進也著『アオアシから学ぶ「答えを教えない」教え方』の前編として、「お題設計アプローチ」についてご紹介します。
なぜ「答えを教えない」のか?
大人がすべてを教えてしまう「伝統的アプローチ」では、子どもが主体的に動く余地がなくなり、臨機応変な判断力も育ちにくくなります。指示待ちの選手、言われたことしかできない選手になってしまうリスクがあります。
「教えすぎない関わり方」こそ、子どもの自律と創造性を育てる最も効果的なアプローチです。
ステップ1:「つかみ」で興味のアンテナを立てる
子どもが自ら動き出すには、まず「やってみたい!」という気持ちに火をつけることが大切です。本書ではこれを「つかみ」と呼びます。
たとえば、パパが華麗なリフティングを見せて子どもが憧れる、プロの試合を一緒に観て「あんなドリブルしてみたい!」という気持ちが生まれる——こうしたきっかけが、学びへの扉を開きます。
ステップ2:「型」を与えることで自由を生む
本書では「型」を2種類に分けています。同じ形しか生まれない「たい焼きの型(複製の型)」と、基準は与えつつも個々の答えを尊重する「武道の型(生成の型)」です。
サッカーの育成で有効なのは後者。「ここへのパスコースを作ること」「守備は2対1の状況を作ること」といった視点・基準を示すことで、子どもが自分なりの解を見つけられる空間が生まれます。指導者の想像を超えたプレーが生まれる可能性も秘めています。
ステップ3:振り返りで「自分の言葉」にする
練習や試合の後に、子どもが「今日は何が良かったか・何が難しかったか」を自分の言葉で語れる時間を作ることが重要です。大人が評価するのではなく、子ども自身が自分のプレーを内省するプロセスが、成長を加速させます。
- 「今日の試合で一番うまくいった場面はどこだった?」
- 「もし同じ場面が来たら、次はどうする?」
- 「チームとしてうまくいったと思う?」
まとめ
お題設計アプローチの核心は、「答えを与えない代わりに、考えるための環境と問いを用意する」ことです。サッカーパパ・ママにとって、これはグラウンドの外でも実践できるアプローチです。
正解を教える前に「どう思う?」と問いかける習慣——これが、自分で考え動ける選手と子どもを育てる第一歩になります。



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