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【おすすめ本】アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方:前編─サッカーママ・パパもおぼえたい「お題設計アプローチ」とは

おすすめ本

サッカーに熱中する子どもたちを日々応援する、サッカーママ・パパの皆さんへーー

今回は、仲山進也 著『アオアシから学ぶ「答えを教えない」教え方』をご紹介します。

とくに今回は、書籍を通じて紹介されている「答えを教えない教え方」=「お題設計アプローチ」について、サッカーママ・パパ向けにわかりやすく解説していきます!

「自分がつかんだ答えなら、一生忘れない」

これは『アオアシ』の登場人物であり、指導者として圧倒的な存在感を放つ福田監督の名言。

この言葉の通り、子どもたちが自ら考え、たどり着いた「答え」は記憶にも行動にも深く根付きます。

一方で、大人が全部教えてしまう「伝統的アプローチ」では、子どもが主体的に動く余白がなくなり、臨機応変な判断力も育ちにくくなります。

だからこそ、家庭でも実践したいのが「お題設計アプローチ」です!

【ステップ1】子どもの“やる気スイッチ”を押す「つかみ」

まず大切なことは、子どもの興味関心のアンテナを立てることーー

「これどうやったらできるんだろう…できるようになりたい!」(興味関心)
「(なにかをみて)すごい!一体どうやってやるの??」(ギャップ)

この気持ちを引き出すことこそ、「つかみ」です。

サッカーパパが見せる華麗なリフティングをみた驚きと憧れ、あるいは日常生活で「ママみたいに卵を片手で割ってみたい!」といった気持ちが子どもを動かします。

こうしてアンテナを立てた状態で、次に進みます。

【ステップ2】“型”を与えることで子どもに自由を

本書の中で、型には、たい焼きの型(=複製の型)、武道の型(=生成の型)の2種類がある、としています。

お題設計をする上で意識したいのは「武道の型=生成の型」

武道の型は、動作に一定の視点や基準を与えるものであり、その視点や基準をおさえていれば、個々が「自分なりの回答」を出して構いません。

うまくいけば、指導者の想像を超える回答(プレー)が生まれる可能性を秘めています!

一方で、たい焼きの型では、生地や具材が違っても、見た目が全く同じものが出来上がります。

ことサッカーにおいては、指導者の思う通りの選手になっても、想像を超えるような選手が生まれづらい環境といえるでしょう。

【ステップ3】お題の出し方は「型+課題+制約条件」

お題を提示するとはーー

「この型を使って、この課題をしてください。ただし、この制約条件を満たすこと」

という”問い”である、と本書でかかれています。

福田監督
福田監督

トラップしたボールをすべてワンタッチで円に入れろ。どこを狙っても百発百中で入れるように。(=課題)

入れるだけじゃない。円に落としたボールに3秒以内でさわれ。(=制約条件)
これはファーストタッチの時点で狙う円に体が向いてないとできない。(=型)

型とは、前述の通り、教える側が伝えたい「視点・価値基準」のことです。

課題とは、お題の本体であり理想を示すカタチになってます。その理想にたどり着くプロセスは自由なのがポイントです。

制約条件は、望ましい行動を引き出したり、望ましくない行動を選択肢からはずしたりするのが目的です。上記では、3秒をいう時間的制約を設けていますが、これを長くしたり短くすることで、難易度調整が可能になります。

サッカーママ・パパも、このお題の出し方を家庭で実践してみましょう!

【ステップ4】フィードバックは“結果”が語る

出されたお題に対して、試行錯誤した結果に子どもが行き着いた答えーー

それに対して、ああでもないこうでもないと、手とり足とり教えるのが、伝統的アプローチです。

しかし、お題設計アプローチにおいては、「よいお題」であるほど、おとなが教えこむ必要はなくなり、お題の達成状況がそのまま子どもへのフィードバックになるのです。

少しできるようになったのはなぜか?、この部分が難しいのはどうしてだろう?、と子どもが考え、試行錯誤を繰り返し、自分なりの最適解をさがす様子を見守るのが、お題設計アプローチでは重要です!

【ステップ5】“ふりかえりの問い”で思考と言語化を

福田監督
福田監督

最後にいいか?
一つだけ質問に答えてくれよ。

ふりかえりで問いを投げかける際に、子どもが自分の思考回路を言語化できるように支援することができれば、学びの撮れ高が大きい=成長スピードが加速していきます。

アシトのように頭の中を言語化して伝えることが、子どもに最初からできるわけではありません。

しかし、毎日の問い→考える→回答するの積み重ねが、思考回路の言語化を成長させ、行動(=プレー)も成長させていくのです!

【ステップ6】反復練習から「変動学習」へ

手本を示して反復練習させる、これが伝統的アプローチの基本形とされています。

メリットもありますが、デメリットは変動する環境への適応力が身につきにくく、創造性も継続的な動機も養われないことが挙げられます。

サッカーのような変化の激しいスポーツにおいては、複雑で多様な状況下でいかに安定的なパフォーマンスを出せるかが重要です。そこで重要なのが、反復練習とは逆の「変動学習」。

あらゆる制約条件を変動的に設定し、子どもに最適なプレーを探索してもらうことで、動きや技能の本質をつかむことを目指す学習方法です。

例えばーー

・ボールのサイズを変える(小さくて軽いテニスボールやゴムボール)
・ボールのカタチを変える(不規則なバウンドをするラグビーボール)
・フィールドを変える(不安定な砂浜)

家庭でも取り組むことができる制約条件がたくさんあります。ぜひご家庭でも取り入れてみてください!

前編まとめ:お題を設計するおとなが重要

理想や価値基準から、子どもに適したお題を出すーー

どんなお題を、どのタイミングで、どのように伝えるか、伝統的アプローチよりも難しく、けれど子どもが加速度的に成長する可能性があるお題設計アプローチをご紹介しました。

サッカーママ・パパのちょっとした工夫が、子どもの自主性と成長を大きく後押しします!

今日からぜひ、家庭で「お題設計アプローチ」取り入れてみませんか?

サッカーママ・パパ、今日もお疲れ様です!

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