「子どものために正しい答えを教えてあげたい」——そう思うのは親として自然な気持ちです。しかし、サッカーの育成において、「教えすぎ」が子どもの成長を妨げるという逆説的な現実があります。
今回は仲山進也著『アオアシから学ぶ「答えを教えない」教え方』の後編として、「ファシリテーター型リーダーシップ」について解説します。
ファシリテーションとは「促進すること」
ファシリテーションとは、会議の進行スキルではありません。本来の意味は「促進すること」「容易にすること」です。サッカーパパ・ママの立場では、子どもが自律して成長できるよう環境を整え、サポートすることと捉えると分かりやすいでしょう。
「賢者風」vs「愚者風」リーダーシップ
本書では2種類のリーダーシップが対比されています。
賢者風:指導者が常に正解を持ち、具体的な指示や答えを与えるスタイル。
愚者風:「どう思う?」「他にアイデアはある?」と問いかけ、子どもが自分で考える余白を作るスタイル。
子どもの自律を促すには「愚者風リーダーシップ」が有効です。ただし、愚者風は「何も言わず見守るだけ」ではありません。価値観から逸脱した行動や好ましくない態度に対しては、毅然と介入することが重要です。
「教えすぎ問題」のデメリット
指導者や親が必要以上に答えを与えてしまうと、以下のような弊害が生まれます。
- 依存心の助長:「答えをください」という姿勢が定着する
- 創造性の抑制:考えなくていいから楽、という思考パターンが形成される
- 主体性の喪失:問題の原因を他者に求めるようになる
- 適応力の低下:教わっていない状況や変化に対応できなくなる
家庭でできる「愚者風」アプローチの実践
サッカーパパ・ママが日常で取り入れやすいポイントを整理します。
- 試合後は「どうだった?」と聞く:評価するのではなく、子ども自身の振り返りを引き出す
- 失敗を一緒に考える:「なぜうまくいかなかったと思う?」と問いかける
- フラットな姿勢で話す:上から指示するのでなく、対話する姿勢を持つ
- すぐに答えを出さない:子どもが自分で結論を出す時間を大切にする
まとめ
「答えを教えない」という育て方は、一見すると不親切に思えるかもしれません。しかし、子どもが自分で考え、試行錯誤しながら答えを見つけるプロセスこそが、本当の成長につながります。
ファシリテーター型の関わり方は、グラウンドだけでなく家庭の日常にも実践できます。「教えすぎない勇気」を持つことが、お子さんの自律的な成長を支える第一歩です。



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