サッカーキッズを応援するママ・パパのみなさん、こんにちは!
「もっと上手くなってほしい」「サッカーを楽しんでほしい」――
そんな想いを持って、送迎、応援、お弁当作りに、日々がんばっているあなた。本当にお疲れ様です。
今日は、最近注目されている「エコロジカルアプローチ」という考え方を、家庭でどう活かせるかをお話しします。
「エコロジカル」って聞くと、環境問題?地球にやさしく?と思われるかもしれませんが、ここで言う“環境”は、子どもがサッカーを通じて学び、成長するための「人・場所・モノ」との関わりのこと。
「子どもの可能性は、環境によって引き出される」
そう考えるのがエコロジカルアプローチです。
今回は、そんなエコロジカルアプローチの基本をわかりやすく解説しながら、家庭でできる関わり方、ちょっとした工夫、注意したいポイントなどを具体的にお伝えします。
エコロジカルアプローチってなに?
エコロジカルアプローチ(Ecological Approach)は、スポーツや教育の分野でにおいて「子どもがどんな環境にいて、どんな経験をしているか」が、その子の能力や行動を大きく左右するという考え方です。
簡単に言えば、「能力は与えられるものではなく、環境との相互作用の中で発揮されるもの」という考えです。
このアプローチでは、「選手=個人」と「環境」の間の関係に注目します。
例えば、こんなこともエコロジカルアプローチの視点です。
- ボールが転がる芝の状態によって子どものプレーが変わる
- 味方の動きによってパスのタイミングが変わる
- コーチの声かけによってチャレンジする気持ちが生まれる
- 家族の言葉や表情が、子どものやる気に影響を与える
つまり、「才能」は個人の中だけにあるのではなく、「環境との関係性の中で発揮される」のです。
家庭こそが「環境」の一部
「環境」と言うと、グラウンドやチームのことを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は家庭も子どもにとってはとても大きな環境です。
親の言葉、表情、過ごし方、声かけ、雰囲気――
これらすべてが「環境」として、子どもの行動に影響を与えています。
では、どのように家庭でエコロジカルアプローチを活かすことができるのでしょうか?ここからは、具体的なヒントを紹介していきます。
家庭で活かす5つのエコロジカル・ヒント
「アフォーダンス」を増やす工夫をしよう
エコロジカルアプローチでは、「アフォーダンス」というキーワードが出てきます。これは、「ある環境が子どもにとって何を“可能”にするか」という意味です。
たとえば、以下のような工夫が子どもの学びを広げます:
- 家の中にサッカーボールを触れるスペースを作る(リビングの一角でもOK)
- 外に出かけるとき、広場や公園でボールを持たせて遊ぶ
- 小さなゴールやマーカーコーンなどを用意して自由に使わせる
つまり、「やってみよう」と思える環境を用意することが、子どもの主体性を育てます。
指示ではなく「気づき」を促す声かけを
親として、「もっと走れ!」「そこはパスだろ!」と指示したくなる気持ちはよくわかります。でも、エコロジカルアプローチでは、自分で考えて行動するプロセスが大事にされます。
たとえば、試合後にこんな風に声をかけてみてください。
- 「あのとき、なんでシュートを選んだの?」
- 「今日、一番うまくいったプレーって何だった?」
- 「味方があそこにいたけど、どう見えてた?」
こうした問いかけが、子どもの「内なるコーチ」を育てるきっかけになります。
「失敗できる」安心感を作ろう
サッカーは失敗の連続です。パスミス、ボールロスト、シュートが枠を外れる……そんなときに家庭で責められてしまうと、チャレンジを避けるようになります。
エコロジカルアプローチでは、「失敗も学びの一部」と考えます。
だからこそ、家庭ではこんな関わり方が効果的です:
- 失敗したときに「チャレンジしててよかったよ」と伝える
- 成果よりも「取り組み」や「意図」を評価する
- 家族でサッカーの話を楽しみ、プレーの良し悪しに一喜一憂しすぎない
「みる」環境を整える
サッカーは「みるスポーツ」でもあります。親子で試合を観たり、ハイライトを一緒に見て感想を話したりすることも、子どものアフォーダンスを広げます。
ポイントは、「正解を教える」のではなく、「一緒にみる」こと。
- 「今のプレー、どうだったと思う?」
- 「この選手、なんでこう動いたと思う?」
このように会話することで、プレーの観察眼や戦術的理解が自然に育ちます。
習慣を「環境」で作る
例えば「毎日リフティング〇回」など、目標を決めても続かないことってありますよね。ここで大事なのは、行動を促す「環境の設計」です。
たとえば:
- ボールを玄関やリビングの目立つ場所に置く
- 朝の時間にサッカー動画を見る習慣を作る
- 家族で「ちょこっと公園タイム」を週末に設ける
子どもの行動は「意志」よりも「環境」に左右されます。無理なく続けられるような仕組みづくりが効果的です。
エコロジカルな親になるための3つの心得
最後に、家庭でできるエコロジカルアプローチの実践者として、ぜひ心がけたい3つのポイントをまとめます。
◎ 子どもを「変える」より、「環境を整える」
子どもに「もっとこうして!」と求める前に、「この子がその行動をしたくなるような環境になっているか?」を考えてみましょう。
◎ 結果よりも「過程」を見る
「勝った」「点を取った」という結果よりも、「どう考えたか」「どう工夫したか」を見つけて、声をかけてあげましょう。
◎ 一緒に「観察する親」になる
親が「指導者」になるのではなく、「観察者」として子どもと一緒に成長していく姿勢が、子どもに安心と自信を与えます。
◆おわりに:子どもと一緒に成長できる「環境」づくりを
サッカーを頑張る子どもを支える親の存在は、まさに「日常のコーチ」。
でも、その役割は「教えること」ではなく、子どもが自ら学べる環境を整えることなのかもしれません。
エコロジカルアプローチは、難しい理論ではありません。
ちょっとした言葉、雰囲気、過ごし方を工夫するだけで、子どもの力をぐっと引き出すヒントになります。
今日からできることを、ひとつずつ。
あなたの家庭が、子どもにとっての「最高のピッチ」になりますように。
サッカーママ・パパ、今日もお疲れ様です!
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