【YouTubeレビュー】サッカー親子必見！世界から学ぶ子どもの「芽」の育て方～詰め込み教育からの卒業～

「うちの子、将来プロになれるのかな？」
「もっと練習させないと、他の子に追いつけないかも」

——サッカーに打ち込む子どもを見守る親なら、一度はこんな不安に駆られたことがあるのではないでしょうか。練習や試合に全力を注ぐ我が子の姿に胸を打たれる一方で、日本の育成環境に疑問を感じる保護者も少なくありません。

今回ご紹介するのは、YouTubeチャンネル「サッカーキング」の番組「テレビ・クラッキー」に登場した、小澤一郎さんと木崎伸也さんの対談。彼らが語る、スペインやドイツのサッカー育成の現場には、日本のサッカーママ・パパが今こそ知っておくべきヒントが詰まっています。

■ アタカマ砂漠の花に学ぶ——子どもの可能性の開花はタイミング次第

話の冒頭で語られたのが、チリのアタカマ砂漠の話。数年に一度の雨で、眠っていた200種以上の植物が一斉に花を咲かせるこの自然現象は、子どもの育成にも通じるといいます。

早期に一つの道へ進ませるのではなく、可能性という名の「種」が、必要なタイミングで自然と芽吹く環境づくりこそが大切。サッカーママ・パパができるのは、その芽が開く時を信じ、見守ることです。

スペインの育成現場では、小学生に特定の競技に偏らせず、様々なスポーツを経験させることが推奨されています。バスク地方では州の教育方針としてマルチスポーツが採用されており、レアル・ソシエダのような強豪クラブですら小学生年代のチームを持ちません。

その理由は、早期専門化によるケガや燃え尽き症候群を避け、子どもの発育にとって多角的な刺激を与えることにあります。実際、このアプローチの中で育った選手たちが、後にトッププロとして世界へ羽ばたいていることは注目に値します。

スペイン・バレンシア州では、小学生のサッカー活動は週3回以下、1回90分未満と、意外にも少ない時間しか費やされていません。それにも関わらず、優秀な選手が次々と育つ背景には、トレーニングの質、そして生活のバランスを大切にする文化があるからです。

活動時間が少ない分、子どもたちはサッカー以外の経験を積む余裕があります。バスケットボールや格闘技、芸術活動や英語学習など、幅広い体験が人間力や視野を広げ、サッカーに限らない人生の選択肢を育みます。

スペインやドイツでは、明確なピラミッド型育成システムが存在し、地域クラブからトップクラブまで段階的に選手を育てる仕組みが整っています。一方、日本はリーグ戦の整備が不十分で、才能を発見するチャンスにムラがあるものの、高校・大学を経てプロになるといった多様な道が残されています。

この「多様性」は日本育成の強みでもありますが、同時に「勝ち」に偏った競争文化や、燃え尽き症候群を生み出す危うさも孕んでいます。特に小学生年代（いわゆる4種）は、地域の草の根的な運営に依存しており、コーチの質や試合環境に差が大きいのが現状です。

サッカーママ・パパが育成において果たせる役割とは何でしょうか。

多様な体験を後押しする：早期に一つの分野へ専門化させず、スポーツや文化活動、学びの機会を広げることで、子どもの才能を広く育てましょう。
「楽しさ」を大切にする：勝利ばかりを求める指導環境に違和感を覚えたら、無理に続けさせず、子どもの笑顔を取り戻す方法を探りましょう。
結果よりも成長を評価する視点：目先のスコアや順位よりも、子どもがどれだけ成長し、挑戦し続けているかを認めてあげることが、長い目で見た成功に繋がります。
現場の環境を見直す声を上げる：ボランティアに依存するチーム運営や、大会優先の育成に課題があれば、保護者として改善を求めることも子どもたちの未来を守る大事な一歩です。