「指示待ちではなく、自分で状況を判断してプレーできる選手を育てたい」——これは多くの指導者・保護者が共通して持つ願いです。では、そのために何が必要なのでしょうか?
FOOT×BRAIN+ #715「移り変わる育成メソッド!ジュニア世代で養うべき知覚力とは!?」から、ビジャレアルCFの育成に関わる佐伯夕利子さんの提唱する「知覚力」の育て方を学びます。
従来の育成に欠けていた「知覚」の視点
これまでのサッカー指導では、技術・戦術を「記憶学習」として教え込むケースが多く見られました。しかしこの方法では、教えられたことを「思い出す」必要があり、想定外の状況に対応できない選手になりやすいという問題があります。
「指導者が余白を持ち、選手が知覚したことを尊重することで、試合中の変化に飄々と対応できる選手が育つ」——佐伯夕利子
「飄々としたプレー」とは何か?
佐伯さんが理想とする選手像は「飄々としたプレーができる選手」。その特徴として挙げられているのが以下の4点です。
- 視線止め:動きながらも状況全体を把握できる視野の使い方
- 認知力の柔軟性:複数の情報を同時に処理できる能力
- 予測能力:次の展開を先読みしてプレーできる力
- 決定の取り消し:一度決めた判断を瞬時に別の選択肢に切り替える能力(メッシ選手がまさにこれ)
これらは「知覚と情報処理能力」に基づくものであり、反復ドリルではなく、自由に判断できる環境の中でこそ育まれます。
目標設定にも注意が必要——高すぎる目標のリスク
知覚力を育てる上で、メンタル面のアプローチも重要です。高すぎる目標設定は、子どもに過度なプレッシャーを与え、「失敗してはいけない」という萎縮した思考を生むリスクがあります。認知的余裕がなくなると、知覚力も発揮できなくなるのです。
親として意識したいのは、結果や順位への過度な執着を手放し、「今日のプレーで何を感じたか」に目を向ける問いかけを習慣にすることです。
家庭でできること:「余白」を持った関わり方
- 試合の指示を出しすぎない——子ども自身に判断させる
- 失敗を叱るのではなく「どう感じた?」と問いかける
- 結果より「プロセス」を重視する声かけをする
- 子どもがボールに自由に触れる時間・環境を確保する
まとめ
知覚力は、将来サッカーで活躍するためだけでなく、社会で自律して生きていく力にもつながります。「余白を持つ」関わり方は、すぐに結果が出るわけではありませんが、長期的には大きな差を生みます。今日から少しだけ、子どもを信じて「待つ」を実践してみてください。



コメント