「ケガをどう予防するか」
「子どもの心と体の成長をどう支えるか」
サッカーを始めたばかりの小学生にとって、成長期特有の体の変化やケガへの対処も非常に重要です。
この記事では、書籍「子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>」から、知っておきたい体のケア、ケガの予防について、具体的なアドバイスをお届けします。
今回ご紹介の書籍:子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>(土屋雅史 著, 大槻邦雄 監修)
成長のスピードは人それぞれ、今のフェーズを理解しよう
子どもたちは、それぞれ違ったペースで成長していきます。骨の成長、筋肉の発達、バランス感覚など、すべてが個人差のあるプロセスです。同じ学年でも、身長が20cm以上違うことも珍しくありません。
だからこそ、無理に他の子と比較して練習量を増やしたり、技術習得を急いだりするのは危険です。まずは「今、うちの子はどんな成長段階にいるのか?」を知ることが大切です。これを理解することで、ケガのリスクも大きく減らせます。
ねんざを甘くみない:裂離骨折している可能性も!?
「ちょっと足をひねっただけ」
「軽いねんざだからすぐ治る」
などと軽視しがちなケガこそ注意が必要です。特に成長期の子どもは、靭帯の付着部が剥がれる「裂離骨折」を起こすことがあります。レントゲンでは見逃されやすく、放置すれば後遺症につながることも。
「痛みがひかない」「腫れが長引く」「歩き方がおかしい」といったサインがあるときは、必ず専門の整形外科を受診しましょう。
腰椎分離症=腰の疲労骨折:2週間以上続く腰痛は要注意
小学生年代のサッカー選手に多いのが「腰椎分離症」という、腰の疲労骨折です。これはジャンプやキック、スプリントの繰り返しで腰椎に負担がかかり、骨にヒビが入るものです。
もし「腰が痛い」と子どもが訴えてきたら、その痛みが2週間以上続くかどうかを観察してください。自己判断せず、早めに受診してMRI検査を受けることが重要です。
子どもは「0か100か」になりがち:復帰には適切なプロセスを
多くの子どもは「痛くない=もう大丈夫!」と判断し、急に練習に戻ろうとします。
しかし、ケガからの復帰には段階的なリハビリが必要です。とくに筋肉の柔軟性や関節の可動域を取り戻さないと、再発しやすくなります。
親としては「やる気があるのは良いこと」と思ってしまいがちですが、ここは大人がストップをかける勇気も必要です。焦らず、じっくりと回復のプロセスを踏むことが、長期的に見て子どものためになります。
子どもが自分でケガの状態を説明できる環境を
ケガをしたとき、子どもが自分の状態を言語化できることは非常に大切です。
「どこが痛いのか」
「いつから痛むのか」
「どんな動きで痛むのか」
など、正確に伝えられれば、医師の診断もスムーズになります。
普段から「どんなふうに痛い?」「さっきの動き、どう感じた?」と問いかけることで、子どもが自分の体に意識を向ける習慣ができます。これはケガの早期発見・予防にもつながります。
メンタル的なリフレッシュと体の成長促進のためにも定期的な休息を
毎週のように試合や練習があると、子どもも知らず知らずのうちに疲労がたまっていきます。体だけでなく、メンタル(心)のリフレッシュもとても大事です。
特に小学生年代は、サッカー以外にもたくさんの体験をしてほしい時期です。少なくとも週に1回は完全オフの日を作り、「友だちと遊ぶ、家族でゆっくりする」など、自由な時間を確保してあげましょう。
成長には栄養、休養、睡眠が不可欠
体をつくるためには、練習と同じくらい「食事・休養・睡眠」が重要です。
特に睡眠時間は8時間以上(プロサッカー選手をめざすなら10時間以上)が望ましく、夜更かしやゲーム漬けの生活は成長ホルモンの分泌を妨げてしまいます。
朝食を抜かない、就寝時間を一定にするなど、家庭でできることはたくさんあります。親のサポートで、子どもは強く、しなやかに育ちます。
子どもがケガ予防を意識できるような問いかけ
親がすべてを管理するのではなく、子ども自身が「自分の体を守る意識」を持つことも大切です。
そのためには、日常の会話で「今日はどこが疲れた?」「ちょっと無理してない?」などの問いかけを意識しましょう。
「自分の体に興味を持つ」ことは、パフォーマンス向上にもつながります。そして、体の不調に早く気づき、適切な対応を取る力が自然と身についていきます。
まとめ:子どものケガを予防する大人の役割
子どもがサッカーを始めると、技術向上やチーム・スクール選びに目が向きがちですが、実は心身のケアこそが、子どもの可能性を伸ばすカギになります。
- 成長段階を見極めること
- 小さなケガを見逃さないこと
- 休息と睡眠をしっかり取ること
- 自分の体を自分で守る意識を育てること
これらを意識するだけで、子どもは自然と成長していきます。
子どもが安心してサッカーを楽しめる環境を一緒につくっていきましょう。ママ・パパのサポートが、未来の大きな成長へとつながります。
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