「うちの子、毎日サッカーの練習だけでヘトヘト…」
「週4のスクール、本当に必要?」
少年サッカーに熱中する子どもを応援したいと思う一方で
「この練習量、本当に大丈夫?」
と疑問に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、「適度な練習量とは何か?」を中心に、成長段階に合ったトレーニングの考え方や、疲労との向き合い方についてご紹介します。子どもが長く楽しくサッカーを続けるためにも、“頑張りすぎない育成”について、一緒に考えていきましょう。
子どもの発育・発達と運動の関係
小学生期は「プレ・ゴールデンエイジ」「ゴールデンエイジ」
サッカーの世界では、以下のような発達段階が意識されています。
- プレ・ゴールデンエイジ(5〜8歳)
→ 遊びの中で体を動かすことが中心。走る・跳ぶ・投げるなどの基礎運動能力を伸ばす時期。 - ゴールデンエイジ(9〜12歳)
→ 技術の習得に適した時期。反復練習による上達が早く、サッカーを楽しむベースを築ける。
この時期は“吸収力が高く”、“体も心も急激に成長する”ため、大人のようなハードトレーニングは不要ですが、「継続的な刺激」は必要です。
一般的な練習量の目安とは?
日本サッカー協会の推奨ガイドライン
日本サッカー協会(JFA)が発行している育成指針によれば、小学生年代の練習量の目安は以下の通りとされています。
学年 | 練習頻度(週) | 練習時間(1回あたり) |
---|---|---|
低学年(1〜3年) | 週2〜3回程度 | 60〜90分程度 |
高学年(4〜6年) | 週3〜4回程度 | 90〜120分程度 |
⚠️注意:「強い子に育てたい」と思うあまり、週5〜6回の練習に通わせる家庭もありますが、過度な運動は疲労の蓄積やケガの原因にもなります。
多すぎる練習が招くリスク
成長期特有のケガ(オスグッド病・シーバー病など)
骨の成長に筋肉の発達が追いつかず、ひざ・かかとなどに痛みが出ることがあります。これを一般的に「成長痛」といい、過度な練習が引き金になるケースも。
燃え尽き症候群(バーンアウト)
小学生でも「サッカーが嫌になった」「試合が怖い」と心が疲れることがあります。これは“楽しくない練習”や“怒られるだけの指導”が長期間続いたときに起こりがちです。
睡眠不足・学習時間の減少
夜遅くまでの練習や移動によって、睡眠時間が削られたり、学校の宿題をやる時間がなくなると、本来育つべき生活リズムが崩れてしまいます。
適度な練習とは?3つのチェックポイント
「遊び」が残されているか?
週5〜6で練習に通っている子の中には、“サッカーしかしていない”子もいます。でも、鬼ごっこ・縄跳び・その他のボール遊びなどの「自由な運動」も成長には必要です。
➡ 1週間の中で「サッカー以外の運動」や「何もしない日」があるか確認してみましょう。
「練習後に元気が残っているか?」
練習後に元気がなかったり、次の日に「学校行きたくない…」というようなら、負荷が高すぎる可能性があります。
➡ 食欲・睡眠・気分の変化も、体からのサインです。
「家庭のリズムと合っているか?」
「親の送迎で毎日バタバタ」「夕飯が毎晩9時すぎ」…それでは家族も疲弊してしまいます。
➡ サッカー中心の生活ではなく、家族の生活リズムも大切に。
サッカーの練習は“量×質”がカギ
練習量は「多ければよい」ではありません。
むしろ、短い時間で集中して取り組んだ方が、効率よく技術も身につきます。
質の高い練習とは?
- 子ども自身が楽しく、夢中になって取り組める
- コーチがその子に合ったアドバイスをしてくれる
- 試合形式の練習や、自主性を育てる時間がある
✅ 「毎日だらだら2時間練習」よりも、「週3回、集中した90分」の方が効果的
保護者ができるサポートとは?
休ませる勇気を持つ
調子が悪い日、疲れている日は無理に送り出さず、「今日は家でゆっくりしようか?」と声をかけてみましょう。
家庭での生活を整える
- 栄養バランスのとれた食事
- たっぷりの睡眠(小学生は9〜10時間)
- 入浴でリラックス(湯船に浸かる)
こうした“基本の生活習慣”が、サッカーでのパフォーマンスにも大きく関係します。
「好き」を育てる声かけを
結果よりも「今日、何ができた?」「楽しかった?」という問いかけで、子ども自身の意欲を育てていきましょう。
実際の保護者の声
「週3の練習+週末試合」で、うちはちょうど良いペース。試合後は1日休ませています。(小5男子・母)
「毎日練習だと本人が嫌になるのが早いと思って、スクールは週2回。残りは友達と公園で自由に遊んでます」(小3女子・父)
「“サッカー以外の体験”も大事にしたくて、夏休みはサマーキャンプや家族旅行を優先してます」(小4男子・母)
まとめ:子どもの“今”に寄り添った練習量を
子どもがサッカーを楽しく続け、長く成長していくためには、「頑張ること」以上に「無理をしないこと」が大切です。
練習量は子どもの体力や年齢、性格によっても異なります。
「みんながやっているから」と焦らず、その子に合ったペースでのびのび育ててあげましょう。
サッカーママ・パパ、今日はお疲れ様です!
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