サッカーママ・パパのみなさん、こんにちは！
前回の記事では、子どもが「自分で考え、行動できる力」を育てるにはどうすればいいか、『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』をもとにお話ししました。
今回はその後編。
本書のキーワードでもある「1.1力（いってんいちりょく）」を中心に、子どもの伸びしろをどうサポートしていけばいいのか、さらに掘り下げていきます。
「1.1力」って何？
この「1.1力」は、仲山進也さんの著書『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』でも紹介されている、自己肯定感を育てるコミュニケーションの考え方です。
普通の状態を「1.0」として…
- ちょっとご機嫌で前向きな状態が「1.1」
- 少し不機嫌でネガティブな状態が「0.9」
この“たった0.1の差”が、積み重なると大きな違いになるんです。
1.1コミュニケーションって？
お子さんの「自分は大切な存在」「きっとできる！」という気持ちを育てるような、プラスの声かけや態度が「1.1コミュニケーション」です。
- 「頑張ったね！」
- 「今日のパス、すごくよかったよ」
- 「最後まで走り切ったの、見てたよ！」
こんなふうに、認める・受け止める・期待する声かけが「1.1力」になります。
逆に…
- 「なんでこんなこともできないの？」
- 「誰のせいで負けたと思ってるの？」
- 無視したり、上の空で返事をしたり
これらは「0.9コミュニケーション」。
お子さんの「やる気」や「自信」をじわじわ下げてしまう原因になります。
どうして「1.1力」がそんなに大事なの？
理由はシンプル。
ちょっとした声かけが、繰り返されることで大きな影響になるからです。
例えば、試合でミスして落ち込んでいるとき…
- 「大丈夫！次で取り返せばいいよ」→ 前向きに
- 「またミス！？集中して！」→ さらに自信をなくす
こんなふうに、一言でお子さんの“次の一歩”が変わってきます。
さらに、チーム内でもこの考え方は重要です。
1人のポジティブ（1.1）と、1人のネガティブ（0.9）が合わさると…
1.1 × 0.9 = 0.99
つまり、チーム全体の雰囲気も下がってしまうんですね。
今日からできる！「1.1力」の実践ヒント
① 結果よりも「頑張ったこと」「良かったこと」に注目
- 「最後まで走ったの、よかったね」
- 「今日のシュート、惜しかったけどチャレンジしてて素敵だったよ」
ちょっとした一言でも、お子さんは「見てくれてたんだ」とうれしくなるものです。
失敗したときも、
- 「〇〇は良かったよ。でもここは、次こうしてみたらどうかな？」
という**「Yes→But形式」**で声をかけてみましょう。グッと受け入れられやすくなります。
② 「思った」と「考えた」を分けてみる
「なんでできないの！」とつい思ってしまうこともありますよね。
でも、それをそのままぶつけるのではなく——
「どうすればうまくいくかな？」
「この子が伸びるために、どんなサポートができるだろう？」
そんな風に“考える”習慣を持つことで、建設的なコミュニケーションになります。
③ チーム内で「褒め合う文化」を育てる
保護者同士、選手同士で、
- 「〇〇くんのプレー、今日すごく良かったですね」
- 「いつも送迎ありがとうございます！」
といった感謝やポジティブな声かけを意識してみましょう。
チーム全体の雰囲気が明るくなり、協力しやすい関係が生まれます。
④ 振り返りの時間を大切に
試合や練習の後に、
- どんなプレーがあったか（事実）
- どう感じたか・どう解釈したか（感情・思考）
- 次にどう活かすか（行動）
この順番で一緒に話してみましょう。
「怒られたくないから黙っておこう…」ではなく、「ちゃんと話せる・聞いてもらえる」安心感が、お子さんの学びを深めます。
⑤ チームで「目・頭・呼吸をそろえる」
- 同じ情報を見る（目）
- 同じ価値観を持つ（頭）
- 同じ方向に動く（呼吸）
サッカーはチームスポーツ。保護者・選手・コーチが同じ方向を向いて協力することで、子どもたちの成長をより力強くサポートできます。
最後に
「1.1力」は、魔法のようなスーパースキルではありません。
“ほんの少し”ポジティブに接する意識のことです。
でも、その“0.1の差”が、子どもの自己肯定感やプレーの質、チームの雰囲気に大きな影響を与えます。
「どうしてできないの！」ではなく、
「どうすればできるようになるかな？」という声かけに変えてみませんか？
今日から、お子さんのサッカーライフをより楽しく、実りあるものにするために。
ママ・パパの「1.1力」、きっと大きな力になりますよ！
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