「子どもにはただ上手くなってほしいだけなんです。でも、どう関わればいいのか分からなくて…」
そんな悩みを抱えるサッカーママ・パパは少なくないのではないでしょうか。
日々の練習や試合を応援しながらも
「本当にこのサポートでいいのだろうか?」
「親として何ができるのか?」
と、迷いや不安を感じていませんか?
そんなときに、ぜひ一度読んでいただきたいのが
小林有吾による大人気サッカー漫画『アオアシ』です。
この作品は、サッカーを通じて“人として成長する”少年たちの姿を描いた物語。プロを目指す世界の厳しさとともに、仲間との葛藤、自分の未熟さへの向き合い、そして努力の意味をリアルに教えてくれます。
この記事では、『アオアシ』を単なる娯楽の枠を超えた“子育てのヒントが詰まった教材”として、サッカーママ・パパの視点から読み解いていきます。
『アオアシ』とは?
『アオアシ』は、「ビッグコミックスピリッツ」で連載中のサッカー漫画。愛媛の中学生・青井葦人(あおい・あしと)が、東京のJユースチーム「東京シティ・エスペリオンFC」にスカウトされ、プロを目指して上京。サッカーエリートたちの中で、自らの弱さと向き合いながら成長していく姿を描いています。
この作品の特徴は、「サッカーの技術や戦術の描写が本格的」であると同時に、「人間としてどう成長していくか」という心理描写にも深く踏み込んでいる点です。
サッカーという競技を通して、「考える力」「チームで生きる力」「困難を乗り越える力」といった“人としての基盤”がどう育っていくかを描いており、親としての視点でも得られる学びが非常に多いのです。
『アオアシ』が教えてくれる5つの子育てのヒント
【自己理解】「自分を知ること」からすべてが始まる
物語の序盤、主人公のアシトは地元で無双していたにもかかわらず、東京のユースで通用せず、次第に自信を失っていきます。しかし、その過程で「自分が得意なこと、不得意なこと」「自分がどんな選手で、何を武器にすべきか」を真剣に考えるようになります。
これは、どの子どもにも通じる重要なプロセスです。
親はつい「こうすればいい」とアドバイスを与えたくなりますが、子どもが自分で「自分はどうなりたいのか」「何を大切にしたいのか」と考える力を育てることこそ、真の成長の土台です。
『アオアシ』は、「親が教える」のではなく「子ども自身が学び取っていく」姿勢の大切さを、何度も教えてくれます。
【失敗と成長】挫折からしか得られないものがある
アシトは、何度も壁にぶつかり、失敗を繰り返します。チームメイトとの衝突、監督からの厳しい指摘、自分の限界…。しかし、そのたびに自らと向き合い、乗り越えることで一歩一歩成長していきます。
この姿は、我が子がミスをして落ち込んでいるとき、つい「慰めてあげたい」「守ってあげたい」と思ってしまう親にこそ響きます。
でも、子どもは失敗から学ぶのです。『アオアシ』の登場人物たちは、失敗からしか得られない成長を体現していて、親がそれを「見守る」ことの大切さを実感させてくれます。
【他者理解】“仲間”との関係性の中で育つもの
アシトは、個性豊かな仲間たちとぶつかり合いながらも、次第に「自分と他人は違う」という当たり前のことに気づいていきます。そして、自分のプレーが周囲にどう影響を与えるかを考えるようになります。
サッカーは“個”の能力だけでは勝てないスポーツです。他者の存在を理解し、共に目標に向かう力は、社会を生きる上でも不可欠な力です。
親は、子どもの人間関係に口を出したくなるものですが、『アオアシ』を読むと、「ああ、こうやって“仲間”と関わりながら人は育つんだな」と実感し、余計な介入を手放す勇気をもらえるはずです。
【視野を広げる】“見る力”は思考力を育てる
『アオアシ』の中で印象的なキーワードのひとつが「俯瞰(ふかん)」。アシトは、他の選手にはない“広い視野”を持ってプレーできるという武器を持っています。
この「視野の広さ」は、まさに「物事を多面的に見る力」。目の前のことだけでなく、全体を捉え、状況を判断する力です。
サッカーだけでなく、人生においてもこの“見る力”は重要です。
親は、目の前のテストの点数や試合の勝ち負けに一喜一憂しがちですが、『アオアシ』はもっと大きな視点で子どもの成長を捉える大切さを気づかせてくれます。
【努力と継続】結果がでるまで努力をつづける
アシトはいわゆる“天才”ではありません。
だからこそ、ひたすら努力し、考え、走り、もがきます。そしてそれが少しずつ報われていく。
その姿は、「努力が意味あるのか分からない」と嘆く子どもや、「この子には才能がないかも」と不安になる親に、大きな希望を与えてくれます。
時に一時的な結果は、努力は裏切ることもあります。
でも、何より大切なのは「努力し続けられる人間になること」。その価値を『アオアシ』は物語を通じて静かに、けれど力強く伝えてくれます。
親として、『アオアシ』をどう活かすか?
子どもと一緒に読む
『アオアシ』は小学校高学年〜中高生向けですが、大人が読んでも深く共感できる内容です。子どもと一緒に読み、登場人物の言動について話し合うことで、思考力や価値観が育ちます。
「アシトは、なんで変わることができたのかな?」
「花ちゃんの意思の力ってすごいよね、あのときどう思った?」
そんな会話が、親子の関係性をより深くしてくれます。
応援のスタンスを見直す
『アオアシ』の中で、アシトのお母さんの姿勢はとても印象的です。強くは口出しせず、でも誰よりも息子の挑戦を信じて応援している。
「子どもを信じて見守る」ことの難しさと大切さを、彼女の姿から学ぶことができます。
子どもを信じて、任せる勇気。親自身も“成長する存在”であることを思い出させてくれます。
まとめ:『アオアシ』は子どもの成長の「羅針盤」になる
『アオアシ』は、ただのサッカー漫画ではありません。
夢を追う少年たちの姿を通して、「人としてどう生きるか」「どう成長していくか」を真摯に描いた、現代の“成長の教科書”です。
親は、子どもにすべてを教えることはできません。でも、そっと背中を押し、信じて見守ることはできます。そのための“視点”と“ヒント”をくれるのが、この作品です。
もし今、子育てや関わり方に迷っているなら——ぜひ『アオアシ』を手に取ってみてください。子どもの目に映る世界が、きっと少し変わって見えるはずです。そしてそれは、親であるあなたの世界も同じように変えてくれるでしょう。
サッカーママ・パパ、今日もお疲れ様です!
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