こんにちは、サッカーママ・パパの皆さん。
今日もお子さんの練習や試合の送り迎え、本当にお疲れさまです。
お子さんがサッカーに夢中になっている姿を見ると、嬉しい反面、「もっと上手くなるには?」「壁にぶつかった時、なんて声をかけてあげれば?」と悩むこともありますよね。私たち親にできることは、何なのか。
技術的なアドバイス? メンタル面のサポート?
そんな私たちにヒントをくれる一冊があります。それが『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』。
大人気サッカー漫画『アオアシ』をもとに、現代を生き抜く子どもたちに必要な「考える力」をどう育むかが書かれたこの本。
このブログでは、前後編に分けてこの本のエッセンスをご紹介。前編では、特に大事な「観察・判断・実行・振り返り」という成長サイクルや、子どもの才能の見つけ方にフォーカスしていきます。
自分で考え、自分で動く子に育てるために
現代は、何が正解か分からない「カオスの時代」と言われています。
大人だって答えを探すのが難しい中で、子どもたちがサッカーを通して、ただ技術を磨くだけでなく「自分で考えて行動できる」力を身につけることは、とても重要です。
そしてそれは、決して一人では育ちません。親や周りの大人のサポートがあってこそ、子どもたちは「考える葦」へと成長していけるのです。
観察・判断・実行・振り返りのサイクル
サッカーのプレー中、子どもたちは瞬間ごとに「観察→判断→実行」を繰り返しています。でも、実はこの3つだけでは不十分。
本当に成長するためには、「振り返り」が欠かせないのです。
振り返りのステップ
- 事実:何が起きたか(例:マークを外された)
- 解釈:なぜそれが起きたか(例:自分のポジショニングが悪かった)
- 規範化:次はどうすれば良いか(例:もっと早く周囲を確認しよう)
- 適用:次のプレーでそれをどう活かすか
この4段階を回すことで、子どもたちの学びは「体験の積み重ね」から「成長の加速」へと変わります。
親としてできること
「今日はどうだった?」と聞いて終わるのではなく、「どんなことがあった?」「なんでそうなったと思う?」と一歩踏み込んだ声かけをしてみましょう。
最初はうまく話せなくても、繰り返すことで自分の言葉で振り返る力が育ちます。
「見える子」にするには? 観察力の育て方
観察は、すべての始まり。でも実は、「知らないことは見えない」って知っていましたか?
知識が「目」を作る
たとえば、車に詳しくない人が名古屋の街を歩いても、トヨタ車が多いことに気づきません。でもトヨタの車種を知っていれば、「あれもトヨタ!これも!」と自然に目に入ってくるようになります。
サッカーも同じ。
戦術やポジション、基本のプレーを理解していないと、何が良い動きなのか、どこに注目すべきなのかが分からず、「ただ走ってるだけ」に見えてしまうのです。
偏見に注意!
「これはこうに違いない」という思い込みも、観察の妨げになります。自分で気づけない偏見には、フィードバックが効果的。
親ができるサポート
- プロの試合を一緒に見て、「あの動き、何でだと思う?」と問いかけてみる
- ポジションやフォーメーションについて一緒に学ぶ
- 「今日は相手のディフェンスの動きに注目してみよう」などテーマを持たせる
知識という「レンズ」をかけることで、お子さんの視野は大きく広がります。
判断力を育てる:思うことと考えることを分ける
観察で得た情報をどう判断するか。その質が、その後の行動すべてを左右します。
この本が伝えている大切な視点は、「思うこと(感情)と考えること(思考)を分ける」ということ。
感情はあっていい。でも引きずられないこと
たとえば試合でミスをした時、「もう最悪…」「やりたくない」と思うのは自然です。でもそこで終わらず、「じゃあ次どうする?」と考える力が大切。
親の声かけがカギ
「そっか、悔しかったね。でもどうしたら次うまくいくかな?」
「それだけ頑張ったってことだよね。じゃあ次、どこを意識してみようか?」
感情を否定せずに受け止め、その上で思考を促す――。これが、親の出番です。
「過去」と「未来」にとらわれすぎない判断を
失敗した過去や、不安な未来にとらわれると、今に集中できません。
この本では、「判断とは“分けて断つ”こと」だと教えてくれます。
いらない感情や思い込みを切り離し、今必要なものに集中する力が、成長に繋がるのです。
チームで成長する:「目・頭・動き」を揃える
サッカーはチームスポーツ。個人の力だけでは勝てません。
そのために大切なのが、「目と頭と動きを揃える」という考え方。
目を揃える:同じものを見る
試合動画で、チーム全体が見るべきポイントを共有する
頭を揃える:同じ基準で考える
「何が良いプレーか」をチーム全体で一致させる
動きを揃える:連携して動く
練習で呼吸を合わせ、試合で活かす
親としての関わり
- お子さんがチームの戦術を理解しているか確認する
- コーチの意図を一緒に考える
- チームの話し合いに興味を持つ姿勢を見せる
「才能」を「強み」に変えるお手伝い
この本で特に印象的なのは、「才能は誰にでもある。でも、それを強みにできるかは別の話」という言葉。
たとえば、足が速い=才能。でもそれを試合で活かすには、使いどころの判断力、タイミング、技術…たくさんの要素が必要です。
親ができること
- 子どもの「良いところ」を具体的に言葉で伝える
例:「相手のパスコースをよく読んでるね!」 - 得意なことを深堀りする機会をつくる
- 才能を「強み」に変えるために、継続的なサポートを
おわりに:考える力を育てるのは、今
『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』は、サッカーの本というより、子育てのヒントが詰まった一冊です。
- 観察・判断・実行・振り返りのサイクル
- 知識で視野を広げる方法
- 感情と向き合い、考える力を育てる声かけ
- チームプレイの本質
- 才能を見つけ、強みに変えるサポート
これらを親が知っているだけで、お子さんの成長スピードは大きく変わります。
次回の後編では、「1.1力(いってんいちりょく)」というユニークな考え方や、メンタル面での支え方について、さらに深くご紹介します。
どうぞお楽しみに!
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