「やる気を持って続けてほしい」
「自信を持ってプレーしてほしい」
子どもがサッカーを始めたとき、多くのサッカーママやサッカーパパはそのように願っているはず。
今回は、書籍「子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>」から、第6章「やる気と自信をつくるものってなんですか?」をもとに、そのエッセンスをわかりやすく解説します。
今回ご紹介の書籍:子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>(土屋雅史 著, 大槻邦雄 監修)
どう思考するかは育ってきた中での親や周りの大人の影響が大きい
子どもの思考パターンは、日々の関わりの中で少しずつ形作られていきます。特に、小学生年代の少年少女にとって、親や指導者など身近な大人の言動は強い影響力を持ちます。
たとえば、「なんでできないの?」「もっと頑張りなさい」といった言葉がけは、子どもに「自分はダメなんだ」という印象を与えてしまうことがあります。
逆に、「チャレンジしてみたね」「工夫してみようか」といった声かけは、子どもの思考を前向きに導いていきます。
サッカーママ・サッカーパパにとって大切なのは、技術的なこと以上に「どう接するか」。子どもの思考がどのように育つかを意識することで、自然とやる気や自信を育てる土台が整っていくのです。
子どもに対するスタンスを「見張り」から「見守り」へ
子どもがサッカーを始めると、つい細かいことまで目が行きがちです。
「もっと動いて」「パスしなきゃ」「集中して」など、つい口を出してしまうこともあるでしょう。
でも、本当に必要なのは“見張る”ことではなく、“見守る”こと。
見張る関わりは、子どもの自由や自主性を奪い、自己肯定感を下げてしまう恐れがあります。
一方、見守る姿勢は、子どもが自分で気づき、考え、行動できる環境を与えることになります。
もちろん、見守ることは「何もしない」ことではありません。必要なときにはそっと手を差し伸べ、失敗しても受け止める。それがサッカーママ・サッカーパパに求められるスタンスです。
「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」
やる気には2種類あります。一つは「外発的動機づけ」。たとえば「褒められたい」「怒られたくない」といった外側からの刺激によって行動する状態です。
もう一つが「内発的動機づけ」。これは「楽しいから」「自分で上手くなりたいから」といった内側から湧き上がるやる気です。
少年少女がサッカーを長く、そして楽しみながら続けるためには、内発的動機づけが重要です。
「どうしたら子どもが自らやる気を出すようになるか?」
それは、大人が「命令」や「結果への圧力」ではなく、「過程を認める」「努力を称える」ことによって、子どもが自分の中に目的を見つけられるようになる環境を作ることにあります。
よりやる気を引き出すために「原因思考=WHY」から「目的思考=HOW」へ
子どもが失敗したとき、「なんでそんなプレーをしたの?(WHY)」と問い詰めていませんか?
それよりも、「次はどうすればもっと良くなると思う?(HOW)」と、前向きな問いかけに変えることで、子どもは未来に意識を向けられるようになります。
原因追及型の思考は、過去にとらわれやすく、子どもにとってはプレッシャーとなります。
一方、目的志向の問いかけは、チャレンジや学びを促進し、自信を持つきっかけになります。
これは、やる気と自信をつくる上で非常に大切な視点です。
子どもの自己肯定感を高めるために、大人は承認する
自己肯定感とは、「自分はここにいていい」「自分は大切な存在だ」と思える感覚のことです。
この自己肯定感は、親や周囲の大人がどのように接するかで大きく変わります。
結果を出したときだけでなく、失敗したとき、努力したとき、挑戦したときに「あなたの存在を認めているよ」と伝えることが大切です。
サッカーママ・サッカーパパの一言一言が、子どもたちの心に積み重なっていきます。
子どもの潜在能力を最大化する中核3条件:無条件の肯定的な関心、共感的理解、自己一致
心理学者カール・ロジャーズが提唱した「人が成長するための中核3条件」は、子どもにも大人にも共通する重要な概念です。
- 無条件の肯定的関心:どんな状態でも子どもを受け入れる姿勢
- 共感的理解:子どもの気持ちを想像し、寄り添う姿勢
- 自己一致:大人自身が本音で、誠実に接する姿勢
この3つがそろうことで、子どもは安心して自分を表現できるようになり、内発的なやる気が育ちやすくなります。
それぞれが向き合うべき「課題の分離」:その課題は誰のもの?
子どもが失敗したり、うまくいかなかったときに、つい親が先回りして口を出したくなるものです。
しかし、「その課題は誰のものか?」という視点を持つことが大切です。
たとえば試合でミスをしたのは子ども自身の課題。それをどう受け止め、どう次に活かすかを考えるのも子ども自身に委ねるべきです。
サッカーママ・サッカーパパの役割は、子どもが自分の課題に向き合えるように環境を整えること。
過剰な介入は、かえって成長の機会を奪ってしまうこともあります。
チャレンジと失敗をさせ、子どもの自己認識を進める
サッカーの試合や練習では、うまくいかないこと、失敗することがたくさんあります。でも、それがまさに成長のチャンスです。
チャレンジと失敗を繰り返すことで、子どもは自分を知り、「どんなときにうまくいくのか」「どう乗り越えればいいのか」を学んでいきます。
大人は、失敗を責めるのではなく、「やってみたね」「次に活かそう」と声をかけてあげましょう。
そうすることで、自己肯定感と内発的動機が育ち、より主体的にサッカーを楽しめるようになります。
まとめ
サッカーを始めた少年少女にとって、やる気と自信を育てることは、技術以上に大切なテーマです。
そして、それを支えるサッカーママ・サッカーパパの関わり方は、まさに子どもの未来を左右すると言っても過言ではありません。
本記事でご紹介した【おすすめ本】の第6章には、子どものやる気を引き出し、自己肯定感を高めるためのヒントがたくさん詰まっています。
ぜひ、日々の子育て・サッカーサポートに活かしてみてください。
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